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災害鍼灸マッサージプロジェクトの目的

詳細は以下の記事をごらんください。
http://890iwanuma.blog.so-net.ne.jp/2011-04-26-00

活動終了に関して

災プロでは、2011年12月6日をもちまして被災地へのボランティアの派遣を終了いたしました。多くのみなさまのご支援、ご協力、誠にありがとうございました。

【活動報告:PCAT石巻】8月17日~19日 [参加者からの感想]

井萱 幸代

今回私が参加させて頂いたのは、仙台石巻市涌谷にベースを持つPCATへの派遣という形ででした。
事前に災プロのHPやブログなどを拝見し、現地の看護師さん達の治療を行うということだけは分かっておりましたが、具体的にどのような形で行うかは現地に行ってみないと分からないという状態でした。また、前日までにPCAT担当者から現地のコーディネーターの連絡先をお知らせ頂くという話を聞いておりましたが、結局何も連絡がないまま、出発当日、新幹線に乗る前にPCAT事務局に連絡を取り、連絡先を教えてもらうというやり取りをしながら現地に赴きました。(現地には自分の到着日が明確に伝わっていなかったそうです。)

16日の夜にはなんとかPCAT涌谷町ハブにたどりつき、夜の全体ミーティングに参加。そこで、自分は避難所(通常は遊学館)に詰めている看護師さんの治療ではなく、涌谷ハブに隣接する温浴施設を利用して行われる、石巻市立病院の看護師さんとそのご家族の方を対象とした、“癒しの湯”研修イヴェントでの鍼灸マッサージブースを担当するということを初めて知りました。最初は戸惑いましたが、このイヴェントに携われたおかげで、想像以上に様々な分野の方と交流を持つ機会が持てたことを、とても幸運に感じています。

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ミーティングには、ロジ担当のPCATスタッフに加え、看護師、医師の先生、臨床心理士(USAからいらしているとのこと)、今回のイヴェントを共同企画運営しているスタディコミュニティ”リディラバ”のメンバー、鍼灸と平行してブースを設けることになっている、エステティシャン、ネイリストとの方々、避難所などの清掃、防カビ・ダニ業務に携わるダニバスターズのメンバーなどが参加し、それぞれの活動予定及び報告を行いました。先に入っていらした災プロ派遣の小河原さん、橘川さん、小西さんの鍼灸チームは、翌日南三陸に移動するとのことでしたが、幸い、直接引き継ぎを受ける機会も得られました。

このような研修イヴェントを開催することが、PCATの方々にとっても初めての試みだったということもあり、皆手探りで準備と進行とを行っていくという感じでした。初日は参加者3名(うち子供1名)とこじんまりとした会になりましたが、2日目は来場者計17名(看護師さん7名、親族大人5名、子供5名)、最終日3日目は看護師さん11名、お連れのお子様2名と徐々に参加者も増え、進行も適宜調整を入れたせいかスムース且つ活気のあるものになりました。

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看護婦長さんの講義や臨床心理士さんによるこころのケア講義やワーク、温浴施設利用など、様々なアクティビティを平行して行ったため、鍼灸やエステのブースを訪れる時間は1日あたり2~3時間程度と限られていました。
それでも、様々な体験を通じて、リラックスしたり、楽しんだりしながら、研修時間をフルに満喫されている看護師さん達の姿を拝見できたことで、こうしたイヴェント開催の意義を強く実感し、治療だけではなく、その運営自体に深く関われたということをとても嬉しく思っております。

一人あたりの施術時間は15~20分程度と限られており、普段から諸々1時間近くかけて治療をすることに慣れている自分にとっては最初は大変でしたが、慣れてくるとポイントを絞って行えるようになり、大変勉強になりました。被術者の方々にもおおむね満足していただけていたように思います。

今回は3日間で計17名の治療をしました。あん摩と鍼の割合はあん摩がやや多いくらいでした。看護師さんの中には、遊楽館(避難所)で既に何度か災プロ派遣鍼灸師の治療を受けたことのある方がいらっしゃいました。話を聞くと、東北地方では鍼灸はまだまだご老人の受けるものという認識がほとんどで、今回対象となった20代~40代の看護師さんにとっては、全くなじみのないものだったようです。ボランティア治療の機会に初めて受けてみて、痛くないし、こんなに効くものだと知ってびっくりした、可能であれば、地域の鍼灸院を訪れてみたいという声も聞かれ、鍼灸治療のニーズの高さと、最終的に地元の鍼灸師さんネットワークにつなげる必要性とを強く感じました。
また、運営スタッフの方々にも折をみて鍼やお灸、マッサージをする機会を得られ、鍼灸への興味やからだへの意識を高めるきっかけづくりができたように思います。

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この3日間の間に、震災・津波の被害を大きく被った石巻市、市立病院の見学ができたことも大変貴重な体験でした。石巻市のがれき撤去は他の地域に比べて遅れ気味と聞いていましたが、がれき撤去に参加したことのあるメンバーのコメントでは、市内は大分片付いているようでした。ただ、地盤沈下の影響なのか、ところどころ道路が浸水しており、車で通るのも困難な場所がいくつも見受けられました。市立病院の様子は凄惨で、自然の猛威の爪痕がまざまざと残っていました。ただ、今回の施術対象者となった看護師さん達が働いていた病院をこの目で見ておけたおかげで、施術を行うにあたっても、そのことを口に出さずともなにか意識を共有できるといった、ラポール形成に大きく役立ったように思います。

加えて、宮城県が震源の震度5弱の地震を施術中に体験できたこと(地元の皆さんは慣れていらっしゃるせいか、鍼が刺さった状態でも全く動じることなく、"大丈夫ですから治療を続けてください"とおっしゃるぐらい、落ち着いていらっしゃいました)、地震の影響で帰りの新幹線が大幅に遅れたことなども、全てが被災地での貴重な体験です。

帰りの新幹線待ちをしている間に岐阜で内科医をしていらっしゃる先生とお話をする機会が得られました。鍼灸治療についてはあまり詳しくはご存知ないとのことでしたが、実際の被災地で苦しんでいる方々が訴える痛みや痺れといった症状に対し、西洋医学は薬の処方ぐらいしか手だてがない一方で、鍼灸治療は非常に有効らしいという認識をお持ちでいらっしゃいました。今後はもっと積極的に医師・看護師と鍼灸師が手を組んで活動できたら良いだろうという共通認識が持てたことも、とても良かったと思います。

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3日間はあっという間でしたが、この活動に参加している一人一人がそれぞれの思いを抱いてこうやって集まって来ているのだという事実に、文字通りこころが熱くなりました。
阪神大震災での教訓をふまえて、孤独死の問題を重視しているエステティシャンの方、社会問題に真剣に取り組もうとしている学生さんなど、自分にできることがあれば少しでも役に立ちたいと真摯に考えている人達ばかりで、それぞれが様々なバックグラウンドを持ちながら、震災に際して同じ方向を向いて、こうして出逢ったんだという神秘に感動しました。


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